2013年02月22日
最終回 川根大根そば
自然あふれる山間の町の郷土食
静岡県のほぼ中央に位置する川根本町は、町域の約94%を森林が占める自然豊かな町です。大井川の流れに沿って汽笛音を響かせながら大自然の中を走り抜ける「大井川鐵道のSL」、歯車を利用して急勾配を登る日本唯一のアプト式鉄道「南アルプスあぷとライン」など、鉄道ファンならずとも、そののどかな景色に郷愁をくすぐられるはず。“美女づくりの湯”と呼ばれる「寸又峡温泉」や“若返りの湯”と呼ばれる「接岨峡温泉」もあり、秘境ムードもたっぷり。また、町内には長島ダムや大間ダムなどダムが6つもあり、コバルトブルーの湖面がきらきら輝く渓谷に架けられたスリル満点の「夢の吊橋」など、見どころいっぱいです。
そんな川根本町で昔からどの家庭でも普通に食べられていたという『大根そば』。そばは山間地の耕地の少ない自然環境でとても大切な食料でした。そばをおいしく食べる工夫として、ダシ汁の中に大根、しいたけ、人参などをふんだんに入れた『大根そば』が生まれたそうです。千切り大根とそばを絡め、それぞれの風味をより引き出すために、柔らかく短いそばが使われているのが一番の特長。「けんちん汁」の中に短いそばが入っているような感じです。
「そば短かっ! これホントにそばなの?」と一瞬びっくりしますが、食べてみるとその素晴らしさが分かります。とにかく食べやすい! そしてダシ汁のしみ込んだ大根の歯触りと柔らかめのそばの食感が見事にぴったり合うのです。この美味しさ、フランス料理風にシャレて言うなら、“そばと大根のマリアージュ”。さらにダシ汁は、心からホッとする、懐かしさに涙が出るような味わい。こういう庶民的な味は落ち着きますね。“短いそば”というところに、日本人には定番すぎたそばの新たな可能性を感じます。
寒い季節にぴったりの一杯
秋~冬の季節、町内のさまざまな施設で『大根そば』が販売されています。自宅で楽しめる持ち帰り用商品もあるようです。私はエコパで行われたB級グルメスタジアムでいただいたのですが、上にかける一味唐辛子も地元産のもので、辛さの段階もいくつかありました。しかし勢いあまってドッサリかけてしまい、激辛になってしまったのが悔しい限りです。自分の不器用さに涙…。一味唐辛子をかける際はくれぐれも慎重に。せっかくの味が台無しですから。
ポカポカ心も体も温まる『大根そば』、全国に愛される冬の名物になるといいですね!
これまでに16の県内のB級グルメをご紹介させていただきましたが、今回で最終回となります。日本の不況を救うB級グルメ。全国各地の町が、B級グルメによって活気づくことを願って。
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第1回 富士宮やきそば 第2回 番外編 全国B級グルメスタジアムinエコパ
第3回 餃子対決 第4回 富士吉原つけナポリタン
第5回 袋井宿「たまごふわふわ」 第6回 コロッケ祭り
第7回 清水もつカレー 第8回 静岡おでん
第9回 網代イカメンチ 第10回 磐田「おもろカレー」
第11回 稲取「肉チャーハン」 第12回 沼津VS三島 バーガー対決
第13回 御前崎 波乗りバーガー 第14回 きくがわガレット
静岡県のほぼ中央に位置する川根本町は、町域の約94%を森林が占める自然豊かな町です。大井川の流れに沿って汽笛音を響かせながら大自然の中を走り抜ける「大井川鐵道のSL」、歯車を利用して急勾配を登る日本唯一のアプト式鉄道「南アルプスあぷとライン」など、鉄道ファンならずとも、そののどかな景色に郷愁をくすぐられるはず。“美女づくりの湯”と呼ばれる「寸又峡温泉」や“若返りの湯”と呼ばれる「接岨峡温泉」もあり、秘境ムードもたっぷり。また、町内には長島ダムや大間ダムなどダムが6つもあり、コバルトブルーの湖面がきらきら輝く渓谷に架けられたスリル満点の「夢の吊橋」など、見どころいっぱいです。
そんな川根本町で昔からどの家庭でも普通に食べられていたという『大根そば』。そばは山間地の耕地の少ない自然環境でとても大切な食料でした。そばをおいしく食べる工夫として、ダシ汁の中に大根、しいたけ、人参などをふんだんに入れた『大根そば』が生まれたそうです。千切り大根とそばを絡め、それぞれの風味をより引き出すために、柔らかく短いそばが使われているのが一番の特長。「けんちん汁」の中に短いそばが入っているような感じです。
「そば短かっ! これホントにそばなの?」と一瞬びっくりしますが、食べてみるとその素晴らしさが分かります。とにかく食べやすい! そしてダシ汁のしみ込んだ大根の歯触りと柔らかめのそばの食感が見事にぴったり合うのです。この美味しさ、フランス料理風にシャレて言うなら、“そばと大根のマリアージュ”。さらにダシ汁は、心からホッとする、懐かしさに涙が出るような味わい。こういう庶民的な味は落ち着きますね。“短いそば”というところに、日本人には定番すぎたそばの新たな可能性を感じます。
寒い季節にぴったりの一杯
秋~冬の季節、町内のさまざまな施設で『大根そば』が販売されています。自宅で楽しめる持ち帰り用商品もあるようです。私はエコパで行われたB級グルメスタジアムでいただいたのですが、上にかける一味唐辛子も地元産のもので、辛さの段階もいくつかありました。しかし勢いあまってドッサリかけてしまい、激辛になってしまったのが悔しい限りです。自分の不器用さに涙…。一味唐辛子をかける際はくれぐれも慎重に。せっかくの味が台無しですから。
ポカポカ心も体も温まる『大根そば』、全国に愛される冬の名物になるといいですね!
これまでに16の県内のB級グルメをご紹介させていただきましたが、今回で最終回となります。日本の不況を救うB級グルメ。全国各地の町が、B級グルメによって活気づくことを願って。
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第1回 富士宮やきそば 第2回 番外編 全国B級グルメスタジアムinエコパ
第3回 餃子対決 第4回 富士吉原つけナポリタン
第5回 袋井宿「たまごふわふわ」 第6回 コロッケ祭り
第7回 清水もつカレー 第8回 静岡おでん
第9回 網代イカメンチ 第10回 磐田「おもろカレー」
第11回 稲取「肉チャーハン」 第12回 沼津VS三島 バーガー対決
第13回 御前崎 波乗りバーガー 第14回 きくがわガレット
Posted by eしずおかコラム at 12:00