2012年11月23日
第9回 網代イカメンチ
タイの苦い思い出がよぎる
『網代イカメンチ』を初めて食べた時、タイ料理の『トー・マン・プラー』(タイ風さつま揚げ)を思い出しました。“トー=揚げる”、“マン=練る”、“プラー=魚”という意味で、魚のすり身揚げのことです。タイ料理の中でもわりとポピュラーなもので、日本にあるタイ料理店でも食べられます。唐辛子やカレーペースト、ナンプラー(魚醤)、ハーブなども入るので、ちょっぴりスパイシーで独特の風味があります。甘辛いスイートチリソースにキュウリとピーナッツのみじん切りを加えたタレにつけて食べます。これが本当においしくて、タイ料理の中で私が一番好きなメニューです。以前、タイに旅行に行った時、『トー・マン・プラー』という料理名が思い出せなくて、英単語とボディアクションで伝えましたが、出てきたのは大きな魚を丸ごと揚げた豪快な料理だったという、苦い思い出があります。
網代のおふくろの味
タイの思い出話はさておき、熱海市網代地区は、古くからアジ、サバ、イカなどが豊富に水揚げされる天然の良港として栄えています。国道沿いは『干物銀座』と呼ばれ、多くの干物店が軒を連ね、天日干しの干物が店先にズラリと並んでいます。熱海とはまた違った、のどかでどこか懐かしい風情にホっとする港町です。夜になると遠くにキラキラと輝く熱海の街並みが見渡せ、穏やかな雰囲気に心が和みます。『網代イカメンチ』は、そんな網代の温かさや懐かしさがいっぱいつまった郷土料理で、それぞれの家庭に伝わる“おふくろの味”。地元で水揚げされたアジ、サバ、イカ、トビウオなどをすり身にし、きざんだイカや野菜と調味料を加えてつみれにして揚げたもの。焼いたり、茹でたりしても良いそうです。
まわりはカリっと香ばしく、中はアツアツでぷりっとしていて、イカの食感と旨みがたまりません!しっかり味がついているので、そのまま食べてもおいしく、ショウガをつけるとよりさっぱりいただけて、味がギュっとしまります。キリンビールのポスターやホームページにも取り上げられていますが、確かにこの味はビールにぴったりです。というか、B級グルメってだいたいビールに合いますね。
自分で作ってみよう!?
2008年に『網代イカメンチの会』が発足し、イベントなどのPR活動に取り組んでいらっしゃいます。網代のいたるところで『網代イカメンチ』ののぼりがパタパタとはためいていました。食事処や居酒屋、宿泊施設などで食べられるほか、お土産用もあります。観光協会のホームページにレシピが載っていたので、チャレンジしてみようと意気込みましたが、私、魚をさばくのが苦手でした……。イカなんて特に無理……あ、切り身を買ってくればいいんですね……なんて、邪道ですね。また網代へ足を運びましょう。

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第1回 富士宮やきそば 第2回 番外編 全国B級グルメスタジアムinエコパ
第3回 餃子対決 第4回 富士吉原つけナポリタン
第5回 袋井宿「たまごふわふわ」 第6回 コロッケ祭り
第7回 清水もつカレー 第8回 静岡おでん
第9回 網代イカメンチ 第10回 磐田「おもろカレー」
第11回 稲取「肉チャーハン」 第12回 沼津VS三島 バーガー対決
第13回 御前崎 波乗りバーガー 第14回 きくがわガレット
『網代イカメンチ』を初めて食べた時、タイ料理の『トー・マン・プラー』(タイ風さつま揚げ)を思い出しました。“トー=揚げる”、“マン=練る”、“プラー=魚”という意味で、魚のすり身揚げのことです。タイ料理の中でもわりとポピュラーなもので、日本にあるタイ料理店でも食べられます。唐辛子やカレーペースト、ナンプラー(魚醤)、ハーブなども入るので、ちょっぴりスパイシーで独特の風味があります。甘辛いスイートチリソースにキュウリとピーナッツのみじん切りを加えたタレにつけて食べます。これが本当においしくて、タイ料理の中で私が一番好きなメニューです。以前、タイに旅行に行った時、『トー・マン・プラー』という料理名が思い出せなくて、英単語とボディアクションで伝えましたが、出てきたのは大きな魚を丸ごと揚げた豪快な料理だったという、苦い思い出があります。
網代のおふくろの味
タイの思い出話はさておき、熱海市網代地区は、古くからアジ、サバ、イカなどが豊富に水揚げされる天然の良港として栄えています。国道沿いは『干物銀座』と呼ばれ、多くの干物店が軒を連ね、天日干しの干物が店先にズラリと並んでいます。熱海とはまた違った、のどかでどこか懐かしい風情にホっとする港町です。夜になると遠くにキラキラと輝く熱海の街並みが見渡せ、穏やかな雰囲気に心が和みます。『網代イカメンチ』は、そんな網代の温かさや懐かしさがいっぱいつまった郷土料理で、それぞれの家庭に伝わる“おふくろの味”。地元で水揚げされたアジ、サバ、イカ、トビウオなどをすり身にし、きざんだイカや野菜と調味料を加えてつみれにして揚げたもの。焼いたり、茹でたりしても良いそうです。
まわりはカリっと香ばしく、中はアツアツでぷりっとしていて、イカの食感と旨みがたまりません!しっかり味がついているので、そのまま食べてもおいしく、ショウガをつけるとよりさっぱりいただけて、味がギュっとしまります。キリンビールのポスターやホームページにも取り上げられていますが、確かにこの味はビールにぴったりです。というか、B級グルメってだいたいビールに合いますね。
自分で作ってみよう!?
2008年に『網代イカメンチの会』が発足し、イベントなどのPR活動に取り組んでいらっしゃいます。網代のいたるところで『網代イカメンチ』ののぼりがパタパタとはためいていました。食事処や居酒屋、宿泊施設などで食べられるほか、お土産用もあります。観光協会のホームページにレシピが載っていたので、チャレンジしてみようと意気込みましたが、私、魚をさばくのが苦手でした……。イカなんて特に無理……あ、切り身を買ってくればいいんですね……なんて、邪道ですね。また網代へ足を運びましょう。
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第3回 餃子対決 第4回 富士吉原つけナポリタン
第5回 袋井宿「たまごふわふわ」 第6回 コロッケ祭り
第7回 清水もつカレー 第8回 静岡おでん
第9回 網代イカメンチ 第10回 磐田「おもろカレー」
第11回 稲取「肉チャーハン」 第12回 沼津VS三島 バーガー対決
第13回 御前崎 波乗りバーガー 第14回 きくがわガレット
Posted by eしずおかコラム at 12:00
2012年11月09日
第8回 静岡おでん
ご当地おでんが続々登場
寒いですね~。こんな日はアツアツのおでんでも食べて温まりたいですね。B級グルメブームの中、全国各地で『ご当地おでん』が話題となっているようです。青森おでん(生姜味噌ダレ)、名古屋おでん(八丁味噌煮込み)小田原おでん(地元の素材で作った豊富な具材)、沖縄おでん(豚足入り、島とうがらしで味付け)、姫路おでん(生姜醤油で味付け)……などなど。ちなみに、平成23年の『B-1グランプリ』は姫路市で開催予定です。そしてやはり、ご当地おでんの先駆者は『静岡おでん』ですよね。県内では『焼津おでん』(かつおのヘソ(心臓)入り)もジワジワと広がってきているようです。
まっ黒だしのナゾ
先日、某テレビ番組で『静岡おでんのお初』を探す企画をやっていましたが、その結果、現存する最も古いお店は『水野商店』(1914年創業)ということでした。地元の話題を全国ネットのテレビで取り上げられるのは、うれしいものですね。
『静岡おでん』の発祥は、大正時代に静岡大火を逃れた人たちが青葉公園周辺でおでん屋や駄菓子屋を始めたのが起源とのこと。当時、廃棄処分されていた牛スジや豚モツを、捨てずに肉系の煮込みにしていました。牛スジの旨みが溶け出したダシ汁は日々つぎ足され常に煮込み続けるため、あの黒さになるとのこと。一見、ものすごく味が濃そうに見えますが、意外にあっさりしていて、旨みとコクが抜群です。具材ではずせないのは、黒はんぺんと牛スジ。個人的にはソーセージが想像以上においしくて衝撃的でした。串に刺さった具材がニョキニョキ飛び出しながらキレイに並んでいる姿が、なんともかわいらしいですね。そして、忘れてはならないのがダシ粉。『富士宮やきそば』にも欠かせない、静岡ならではの味のアクセント。いぶし銀の名脇役のようです。

静岡おでんと清水おでん
私はさらに『味噌ダレ』をかけるのが好きです。お店によってさまざまですが、旧清水市のほうではこの味噌ダレをかけるのが主流のようです。最近では『清水おでん』としてひそかに表舞台に上がってきています。味噌ダレをかけるというよりも、おでん鍋の中に味噌ダレの壺があり、そこにドブンとつけてダシ粉をかけます。清水の駄菓子屋さんにはほとんど必ず、おでんが置いてあったそうです。また、具材に牛スジはなく、豚モツが入っているそうです。微妙に違う2つのおでんですが、そこにつまったなつかしい想い出は、どちらも同じなのでしょう。
静岡のみなさんにとっては「何を今さら」というくらい、昔から当たり前に食べていた『静岡おでん』。関東出身の私は、はじめはビックリしてばかりいましたが、今ではもう関東風のおでんは物足りなく感じます。白いふわふわのほうのはんぺんを『白はんぺん』と言うようになりました。というか、もはや『黒はんぺん』しか食べません。食べ物のパワーとはおそろしいものです・・・。
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第13回 御前崎 波乗りバーガー 第14回 きくがわガレット
寒いですね~。こんな日はアツアツのおでんでも食べて温まりたいですね。B級グルメブームの中、全国各地で『ご当地おでん』が話題となっているようです。青森おでん(生姜味噌ダレ)、名古屋おでん(八丁味噌煮込み)小田原おでん(地元の素材で作った豊富な具材)、沖縄おでん(豚足入り、島とうがらしで味付け)、姫路おでん(生姜醤油で味付け)……などなど。ちなみに、平成23年の『B-1グランプリ』は姫路市で開催予定です。そしてやはり、ご当地おでんの先駆者は『静岡おでん』ですよね。県内では『焼津おでん』(かつおのヘソ(心臓)入り)もジワジワと広がってきているようです。
まっ黒だしのナゾ
先日、某テレビ番組で『静岡おでんのお初』を探す企画をやっていましたが、その結果、現存する最も古いお店は『水野商店』(1914年創業)ということでした。地元の話題を全国ネットのテレビで取り上げられるのは、うれしいものですね。
『静岡おでん』の発祥は、大正時代に静岡大火を逃れた人たちが青葉公園周辺でおでん屋や駄菓子屋を始めたのが起源とのこと。当時、廃棄処分されていた牛スジや豚モツを、捨てずに肉系の煮込みにしていました。牛スジの旨みが溶け出したダシ汁は日々つぎ足され常に煮込み続けるため、あの黒さになるとのこと。一見、ものすごく味が濃そうに見えますが、意外にあっさりしていて、旨みとコクが抜群です。具材ではずせないのは、黒はんぺんと牛スジ。個人的にはソーセージが想像以上においしくて衝撃的でした。串に刺さった具材がニョキニョキ飛び出しながらキレイに並んでいる姿が、なんともかわいらしいですね。そして、忘れてはならないのがダシ粉。『富士宮やきそば』にも欠かせない、静岡ならではの味のアクセント。いぶし銀の名脇役のようです。
静岡おでんと清水おでん
私はさらに『味噌ダレ』をかけるのが好きです。お店によってさまざまですが、旧清水市のほうではこの味噌ダレをかけるのが主流のようです。最近では『清水おでん』としてひそかに表舞台に上がってきています。味噌ダレをかけるというよりも、おでん鍋の中に味噌ダレの壺があり、そこにドブンとつけてダシ粉をかけます。清水の駄菓子屋さんにはほとんど必ず、おでんが置いてあったそうです。また、具材に牛スジはなく、豚モツが入っているそうです。微妙に違う2つのおでんですが、そこにつまったなつかしい想い出は、どちらも同じなのでしょう。
静岡のみなさんにとっては「何を今さら」というくらい、昔から当たり前に食べていた『静岡おでん』。関東出身の私は、はじめはビックリしてばかりいましたが、今ではもう関東風のおでんは物足りなく感じます。白いふわふわのほうのはんぺんを『白はんぺん』と言うようになりました。というか、もはや『黒はんぺん』しか食べません。食べ物のパワーとはおそろしいものです・・・。
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