2013年02月22日
最終回 川根大根そば
自然あふれる山間の町の郷土食
静岡県のほぼ中央に位置する川根本町は、町域の約94%を森林が占める自然豊かな町です。大井川の流れに沿って汽笛音を響かせながら大自然の中を走り抜ける「大井川鐵道のSL」、歯車を利用して急勾配を登る日本唯一のアプト式鉄道「南アルプスあぷとライン」など、鉄道ファンならずとも、そののどかな景色に郷愁をくすぐられるはず。“美女づくりの湯”と呼ばれる「寸又峡温泉」や“若返りの湯”と呼ばれる「接岨峡温泉」もあり、秘境ムードもたっぷり。また、町内には長島ダムや大間ダムなどダムが6つもあり、コバルトブルーの湖面がきらきら輝く渓谷に架けられたスリル満点の「夢の吊橋」など、見どころいっぱいです。
そんな川根本町で昔からどの家庭でも普通に食べられていたという『大根そば』。そばは山間地の耕地の少ない自然環境でとても大切な食料でした。そばをおいしく食べる工夫として、ダシ汁の中に大根、しいたけ、人参などをふんだんに入れた『大根そば』が生まれたそうです。千切り大根とそばを絡め、それぞれの風味をより引き出すために、柔らかく短いそばが使われているのが一番の特長。「けんちん汁」の中に短いそばが入っているような感じです。
「そば短かっ! これホントにそばなの?」と一瞬びっくりしますが、食べてみるとその素晴らしさが分かります。とにかく食べやすい! そしてダシ汁のしみ込んだ大根の歯触りと柔らかめのそばの食感が見事にぴったり合うのです。この美味しさ、フランス料理風にシャレて言うなら、“そばと大根のマリアージュ”。さらにダシ汁は、心からホッとする、懐かしさに涙が出るような味わい。こういう庶民的な味は落ち着きますね。“短いそば”というところに、日本人には定番すぎたそばの新たな可能性を感じます。
寒い季節にぴったりの一杯
秋~冬の季節、町内のさまざまな施設で『大根そば』が販売されています。自宅で楽しめる持ち帰り用商品もあるようです。私はエコパで行われたB級グルメスタジアムでいただいたのですが、上にかける一味唐辛子も地元産のもので、辛さの段階もいくつかありました。しかし勢いあまってドッサリかけてしまい、激辛になってしまったのが悔しい限りです。自分の不器用さに涙…。一味唐辛子をかける際はくれぐれも慎重に。せっかくの味が台無しですから。
ポカポカ心も体も温まる『大根そば』、全国に愛される冬の名物になるといいですね!

これまでに16の県内のB級グルメをご紹介させていただきましたが、今回で最終回となります。日本の不況を救うB級グルメ。全国各地の町が、B級グルメによって活気づくことを願って。
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第1回 富士宮やきそば 第2回 番外編 全国B級グルメスタジアムinエコパ
第3回 餃子対決 第4回 富士吉原つけナポリタン
第5回 袋井宿「たまごふわふわ」 第6回 コロッケ祭り
第7回 清水もつカレー 第8回 静岡おでん
第9回 網代イカメンチ 第10回 磐田「おもろカレー」
第11回 稲取「肉チャーハン」 第12回 沼津VS三島 バーガー対決
第13回 御前崎 波乗りバーガー 第14回 きくがわガレット
静岡県のほぼ中央に位置する川根本町は、町域の約94%を森林が占める自然豊かな町です。大井川の流れに沿って汽笛音を響かせながら大自然の中を走り抜ける「大井川鐵道のSL」、歯車を利用して急勾配を登る日本唯一のアプト式鉄道「南アルプスあぷとライン」など、鉄道ファンならずとも、そののどかな景色に郷愁をくすぐられるはず。“美女づくりの湯”と呼ばれる「寸又峡温泉」や“若返りの湯”と呼ばれる「接岨峡温泉」もあり、秘境ムードもたっぷり。また、町内には長島ダムや大間ダムなどダムが6つもあり、コバルトブルーの湖面がきらきら輝く渓谷に架けられたスリル満点の「夢の吊橋」など、見どころいっぱいです。
そんな川根本町で昔からどの家庭でも普通に食べられていたという『大根そば』。そばは山間地の耕地の少ない自然環境でとても大切な食料でした。そばをおいしく食べる工夫として、ダシ汁の中に大根、しいたけ、人参などをふんだんに入れた『大根そば』が生まれたそうです。千切り大根とそばを絡め、それぞれの風味をより引き出すために、柔らかく短いそばが使われているのが一番の特長。「けんちん汁」の中に短いそばが入っているような感じです。
「そば短かっ! これホントにそばなの?」と一瞬びっくりしますが、食べてみるとその素晴らしさが分かります。とにかく食べやすい! そしてダシ汁のしみ込んだ大根の歯触りと柔らかめのそばの食感が見事にぴったり合うのです。この美味しさ、フランス料理風にシャレて言うなら、“そばと大根のマリアージュ”。さらにダシ汁は、心からホッとする、懐かしさに涙が出るような味わい。こういう庶民的な味は落ち着きますね。“短いそば”というところに、日本人には定番すぎたそばの新たな可能性を感じます。
寒い季節にぴったりの一杯
秋~冬の季節、町内のさまざまな施設で『大根そば』が販売されています。自宅で楽しめる持ち帰り用商品もあるようです。私はエコパで行われたB級グルメスタジアムでいただいたのですが、上にかける一味唐辛子も地元産のもので、辛さの段階もいくつかありました。しかし勢いあまってドッサリかけてしまい、激辛になってしまったのが悔しい限りです。自分の不器用さに涙…。一味唐辛子をかける際はくれぐれも慎重に。せっかくの味が台無しですから。
ポカポカ心も体も温まる『大根そば』、全国に愛される冬の名物になるといいですね!

これまでに16の県内のB級グルメをご紹介させていただきましたが、今回で最終回となります。日本の不況を救うB級グルメ。全国各地の町が、B級グルメによって活気づくことを願って。
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第3回 餃子対決 第4回 富士吉原つけナポリタン
第5回 袋井宿「たまごふわふわ」 第6回 コロッケ祭り
第7回 清水もつカレー 第8回 静岡おでん
第9回 網代イカメンチ 第10回 磐田「おもろカレー」
第11回 稲取「肉チャーハン」 第12回 沼津VS三島 バーガー対決
第13回 御前崎 波乗りバーガー 第14回 きくがわガレット
Posted by eしずおかコラム at 12:00
2013年02月15日
第15回 西伊豆しおかつおうどん
西伊豆に漂う“ふるさと”感
「ふるさと」と言いたくなる夕陽のまち「西伊豆町」
これは西伊豆町観光協会のキャッチコピーですが、西伊豆に行くと確かにそれを実感します。キュンとする中学時代の初恋、将来を考えてジタバタしてばかりの高校時代、幸福感と焦燥感を行ったり来たりの20代……プラスもマイナスもすべてひっくるめて、「この町で生まれて、この町で悩み、この町で成長したかった」と思えるほどの“ふるさと感”が西伊豆にはあります。
そんな西伊豆の伝統的な保存食品が“塩鰹”(潮鰹)です。西伊豆の田子港は、良質のカツオがたくさん水揚げされ、カツオ漁で栄えた漁師町であり、カツオ節の名産地。塩鰹とは、カツオを丸ごと塩に漬けこんで乾燥させたもの。田子地区では、航海安全と豊漁豊作・子孫繁栄を祈願し、ワラでお飾りを付けた「しおかつお」を飾ったり、縁起の良い食べ物としてお正月の神棚に「正月魚」(しょうがつよ)と言う名前で、お供えされるそうです。
この郷土食をもっと広く知ってもらうために作られた新しいご当地グルメが『しおかつおうどん』です。2010年9月に東京ビッグサイトで行われた「第24回東京ビジネスサミット」では全国2位になったとのこと。おめでとうございます!他にも県内のさまざまなイベントに出店したり、西伊豆エリアだけでなく、沼津・三島方面を含め現在約15軒のお店で、しおかつおを使った料理が楽しめます。
私がいただいたのは、塩鰹の削り節、ネギ、ゴマ、川のりがのった、歯応え抜群の冷やしうどん。少量のダシ醤油をよく絡めて食べます。それぞれの味のバランスが良く、時間がたつほどに塩鰹の味がしみてきて、どんどん美味しくなるんです。塩鰹が生み出す風味豊かなダシの美味しさに箸が止まらず、キレイに飲み干してしまいました。あっさりとしているので、旅行中のお昼にぴったりだと思います。

もう一品、『しおかつお茶漬け』もいただきました。上品なダシの味は、お酒を飲んだ後の〆にいいですね!

松崎町では『川のりコロッケ』を
しおかつおうどんには、西伊豆町の隣り、松崎町の特産である川のりが使われていますが、松崎町ではこれを活かした『川のりコロッケ』が食べられます。地元で愛され続ける精肉店「アサイミート」さんが開発したもので、その場で揚げてくれるのでアツアツ! のりの風味がと~っても香ばしく、じゃがいもと豚肉の旨みとマッチし、あっさりといただけます。揚げたてはもちろんおいしいですが、時間がたってものりの風味が消えず、おいしくいただけるところにも感動です。

派手さはないけれど、どこか印象に残る風景が続く西伊豆。ゆっくりと海に吸いこまれていく夕陽、のどかな港の景色、風情ある町並み。誰もが心にしみる風景に「おかえり」と言われているような、ちょっと照れくさくも温かい空気の中、西伊豆の郷土食を堪能してみてください。心の中で「ただいま」って言いたくなります……今回はいつになく、ノスタルジックにまとめてみました。
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「ふるさと」と言いたくなる夕陽のまち「西伊豆町」
これは西伊豆町観光協会のキャッチコピーですが、西伊豆に行くと確かにそれを実感します。キュンとする中学時代の初恋、将来を考えてジタバタしてばかりの高校時代、幸福感と焦燥感を行ったり来たりの20代……プラスもマイナスもすべてひっくるめて、「この町で生まれて、この町で悩み、この町で成長したかった」と思えるほどの“ふるさと感”が西伊豆にはあります。
そんな西伊豆の伝統的な保存食品が“塩鰹”(潮鰹)です。西伊豆の田子港は、良質のカツオがたくさん水揚げされ、カツオ漁で栄えた漁師町であり、カツオ節の名産地。塩鰹とは、カツオを丸ごと塩に漬けこんで乾燥させたもの。田子地区では、航海安全と豊漁豊作・子孫繁栄を祈願し、ワラでお飾りを付けた「しおかつお」を飾ったり、縁起の良い食べ物としてお正月の神棚に「正月魚」(しょうがつよ)と言う名前で、お供えされるそうです。
この郷土食をもっと広く知ってもらうために作られた新しいご当地グルメが『しおかつおうどん』です。2010年9月に東京ビッグサイトで行われた「第24回東京ビジネスサミット」では全国2位になったとのこと。おめでとうございます!他にも県内のさまざまなイベントに出店したり、西伊豆エリアだけでなく、沼津・三島方面を含め現在約15軒のお店で、しおかつおを使った料理が楽しめます。
私がいただいたのは、塩鰹の削り節、ネギ、ゴマ、川のりがのった、歯応え抜群の冷やしうどん。少量のダシ醤油をよく絡めて食べます。それぞれの味のバランスが良く、時間がたつほどに塩鰹の味がしみてきて、どんどん美味しくなるんです。塩鰹が生み出す風味豊かなダシの美味しさに箸が止まらず、キレイに飲み干してしまいました。あっさりとしているので、旅行中のお昼にぴったりだと思います。

もう一品、『しおかつお茶漬け』もいただきました。上品なダシの味は、お酒を飲んだ後の〆にいいですね!

松崎町では『川のりコロッケ』を
しおかつおうどんには、西伊豆町の隣り、松崎町の特産である川のりが使われていますが、松崎町ではこれを活かした『川のりコロッケ』が食べられます。地元で愛され続ける精肉店「アサイミート」さんが開発したもので、その場で揚げてくれるのでアツアツ! のりの風味がと~っても香ばしく、じゃがいもと豚肉の旨みとマッチし、あっさりといただけます。揚げたてはもちろんおいしいですが、時間がたってものりの風味が消えず、おいしくいただけるところにも感動です。

派手さはないけれど、どこか印象に残る風景が続く西伊豆。ゆっくりと海に吸いこまれていく夕陽、のどかな港の景色、風情ある町並み。誰もが心にしみる風景に「おかえり」と言われているような、ちょっと照れくさくも温かい空気の中、西伊豆の郷土食を堪能してみてください。心の中で「ただいま」って言いたくなります……今回はいつになく、ノスタルジックにまとめてみました。
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第11回 稲取「肉チャーハン」 第12回 沼津VS三島 バーガー対決
第13回 御前崎 波乗りバーガー 第14回 きくがわガレット
Posted by eしずおかコラム at 12:00
2013年01月25日
第14回 きくがわガレット
すでに響きがオシャレ
ガレットとはそば粉でできた塩味のクレープで、薄く広げた生地の中心に卵を落とし、ハムやベーコン、チーズ、きのこなどの具をのせて焼き、四隅を折りたたんで四角い形にし、お皿にのせていただくもの。まん中にちょこんと目玉焼きが見えている感じです。ガレット=食事、クレープ=デザートですね。
日本ではまだあまりなじみがありませんが、フランスの北西部ブルターニュ地方では、カフェより多いクレープリー(クレープ料理店)で地元のお酒であるシードル(リンゴの発泡酒)を片手にガレットをつまみ、おしゃべりをするのだそう。“ガレット”“ブルターニュ”“クレープリー”“シードル”……言葉の響きだけですでにオシャレ♪ そんなオシャレ感とはウラハラに、作物の育ちにくい土地であるブルターニュでは、やせた土地でもそばは育つため、そば粉が飢饉を何度も救い、数世紀もの間ガレットが主食だったそうです。
潜在能力の高さとオシャレ感はA級
『きくがわガレット』は、地元の素材を用い地域活性化につながるような名物を生みだそうと、市民有志が立ち上がり、開発したもの。発足からまだ4年ほどのグルメですが、新メニューの研究に余念がないようです。
生地にはそば粉のほかに、菊川の特産であるお茶(粉茶)を入れるのが特徴。いわゆる普通の日本風のクレープのように、包んで手に持って簡単に食べられる形状です。包む具のバリエーションも豊富で、私がいただいたのは“遠州夢咲牛”の入ったちょっぴり高級感を感じられるもの。野菜もたっぷり入ってヘルシー、生地は表面がサクッと香ばしく噛めばもちもち、、そして欧風なのにどこか懐かしい素朴な味わいです。この生地ならば、包む具材はだいたい何でも合うと思います。食事系だけでなくスイーツ系でもおいしいのでは? 味は抜群なので、もっと手軽にいろいろな場所で食べられるようになればいいですね。車での移動販売で、まずは県内各地、さらに全国を巡るとか!

菊川市は常葉学園菊川が2007年春の甲子園で優勝し、夏の甲子園でも活躍したことで全国的にその名が知れていると思われます。なので“菊川”という名前は受け入れやすく、『きくがわガレット』というかわいらしい響きにも人気が出そうな予感がします。潜在能力はかなり秘めていると、個人的には期待しています。こんなにオシャレ感たっぷりのガレットを、「B級グルメ」と呼ぶには気がひけるくらいです。シードルの代わりには、お茶を使った「しずおかコーラ」(木村飲料)はいかがでしょう? 静岡らしさ満開のコラボです!
ブルターニュの人々は、まさかこんな極東の地でガレットが盛り上がっているとは思ってもいないでしょう。ぜひ、しずおかコーラ片手に食べていただいて、感想を聞いてみたいものです。
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第13回 御前崎 波乗りバーガー 第14回 きくがわガレット
ガレットとはそば粉でできた塩味のクレープで、薄く広げた生地の中心に卵を落とし、ハムやベーコン、チーズ、きのこなどの具をのせて焼き、四隅を折りたたんで四角い形にし、お皿にのせていただくもの。まん中にちょこんと目玉焼きが見えている感じです。ガレット=食事、クレープ=デザートですね。
日本ではまだあまりなじみがありませんが、フランスの北西部ブルターニュ地方では、カフェより多いクレープリー(クレープ料理店)で地元のお酒であるシードル(リンゴの発泡酒)を片手にガレットをつまみ、おしゃべりをするのだそう。“ガレット”“ブルターニュ”“クレープリー”“シードル”……言葉の響きだけですでにオシャレ♪ そんなオシャレ感とはウラハラに、作物の育ちにくい土地であるブルターニュでは、やせた土地でもそばは育つため、そば粉が飢饉を何度も救い、数世紀もの間ガレットが主食だったそうです。
潜在能力の高さとオシャレ感はA級
『きくがわガレット』は、地元の素材を用い地域活性化につながるような名物を生みだそうと、市民有志が立ち上がり、開発したもの。発足からまだ4年ほどのグルメですが、新メニューの研究に余念がないようです。
生地にはそば粉のほかに、菊川の特産であるお茶(粉茶)を入れるのが特徴。いわゆる普通の日本風のクレープのように、包んで手に持って簡単に食べられる形状です。包む具のバリエーションも豊富で、私がいただいたのは“遠州夢咲牛”の入ったちょっぴり高級感を感じられるもの。野菜もたっぷり入ってヘルシー、生地は表面がサクッと香ばしく噛めばもちもち、、そして欧風なのにどこか懐かしい素朴な味わいです。この生地ならば、包む具材はだいたい何でも合うと思います。食事系だけでなくスイーツ系でもおいしいのでは? 味は抜群なので、もっと手軽にいろいろな場所で食べられるようになればいいですね。車での移動販売で、まずは県内各地、さらに全国を巡るとか!

菊川市は常葉学園菊川が2007年春の甲子園で優勝し、夏の甲子園でも活躍したことで全国的にその名が知れていると思われます。なので“菊川”という名前は受け入れやすく、『きくがわガレット』というかわいらしい響きにも人気が出そうな予感がします。潜在能力はかなり秘めていると、個人的には期待しています。こんなにオシャレ感たっぷりのガレットを、「B級グルメ」と呼ぶには気がひけるくらいです。シードルの代わりには、お茶を使った「しずおかコーラ」(木村飲料)はいかがでしょう? 静岡らしさ満開のコラボです!
ブルターニュの人々は、まさかこんな極東の地でガレットが盛り上がっているとは思ってもいないでしょう。ぜひ、しずおかコーラ片手に食べていただいて、感想を聞いてみたいものです。
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第13回 御前崎 波乗りバーガー 第14回 きくがわガレット
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2013年01月11日
第13回 御前崎 波乗りバーガー
スポーツ全般が苦手で、中でもマリンスポーツとは最も縁遠い私。“波乗り”というオシャレでアクティブな言葉の響きに、食べる前からちょっと緊張してしまいました。
御前崎市商工会が、ネーミング通り、御前崎に“ビッグウェーブ”を巻き起こすべく開発された『波乗りバーガー』。その定義は4つ。
・マヒマヒ(シイラ)を使用していること
・販売価格が税込500円以内であること
・おいしいこと
・一工夫してあること
この定義を守りつつ、お店ごとの個性をプラスした多彩な『波乗りバーガー』が食べられます。「おいしいこと」という定義が、ストレートすぎてちょっと笑ってしまいましたが、販売価格が500円以内というのはいいですね。それこそがB級グルメの魅力なのですから!

切り身ではわからない、マヒマヒの真実
マヒマヒはハワイでは最もポピュラーな白身魚で、ソテーやフライなどは名物料理のひとつ。日本では「シイラ」と呼ばれ、英名の「ドルフィンフィッシュ」はイルカのように船に寄ってくることに由来します。「マヒマヒ」というかわいらしい名前とはウラハラに(ハワイ語は何でもかわいく聞こえますが)、最大で体長2m、体重40kgにもなる大きな魚。背びれが大きく長く、口はサケよりさらにアゴが出てしゃくれています。表面は黄金色のような黄色のような、まさに“南国の魚”といった色。そしてオスはおでこが広く前のめりになっていて、はじめは「グロテスク!」と思いましたが、ずーっと眺めていると「なんか憎めなくてかわいい」という気持ちになってきました。フレンチブルドッグやパグのような「ブサイクかわいい」感じです。
マリンスポーツの街ならではの味
御前崎でもマヒマヒはとても身近な魚。そして御前崎はハワイ同様、マリンスポーツのメッカでもあります。マヒマヒはタンパク質が豊富で脂肪分が少ないので、サーフィンのような激しいスポーツをする人にもGOODな食材。以前B級グルメスタジアムで食べた『波乗りバーガー』は、カリっと揚げたマヒマヒのフライ、サニーレタスやトマトが入り、マスタードなどで味付けしたさっぱり味。バンズはふんわりと柔らかく、温かくはないのですが、この味付けには冷たいバンズのほうが合うなぁと納得。淡泊な身のあっさり感と適度な歯ごたえがおいしい、夏にピッタリの爽やかなフィッシュバーガーです。
私が波乗りすることはたぶんないと思いますが、波乗りバーガーのビッグウェーブはものにしたい! それぞれのお店の味を軽快に乗りこなしてみたいものです。
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第13回 御前崎 波乗りバーガー 第14回 きくがわガレット
御前崎市商工会が、ネーミング通り、御前崎に“ビッグウェーブ”を巻き起こすべく開発された『波乗りバーガー』。その定義は4つ。
・マヒマヒ(シイラ)を使用していること
・販売価格が税込500円以内であること
・おいしいこと
・一工夫してあること
この定義を守りつつ、お店ごとの個性をプラスした多彩な『波乗りバーガー』が食べられます。「おいしいこと」という定義が、ストレートすぎてちょっと笑ってしまいましたが、販売価格が500円以内というのはいいですね。それこそがB級グルメの魅力なのですから!
切り身ではわからない、マヒマヒの真実
マヒマヒはハワイでは最もポピュラーな白身魚で、ソテーやフライなどは名物料理のひとつ。日本では「シイラ」と呼ばれ、英名の「ドルフィンフィッシュ」はイルカのように船に寄ってくることに由来します。「マヒマヒ」というかわいらしい名前とはウラハラに(ハワイ語は何でもかわいく聞こえますが)、最大で体長2m、体重40kgにもなる大きな魚。背びれが大きく長く、口はサケよりさらにアゴが出てしゃくれています。表面は黄金色のような黄色のような、まさに“南国の魚”といった色。そしてオスはおでこが広く前のめりになっていて、はじめは「グロテスク!」と思いましたが、ずーっと眺めていると「なんか憎めなくてかわいい」という気持ちになってきました。フレンチブルドッグやパグのような「ブサイクかわいい」感じです。
マリンスポーツの街ならではの味
御前崎でもマヒマヒはとても身近な魚。そして御前崎はハワイ同様、マリンスポーツのメッカでもあります。マヒマヒはタンパク質が豊富で脂肪分が少ないので、サーフィンのような激しいスポーツをする人にもGOODな食材。以前B級グルメスタジアムで食べた『波乗りバーガー』は、カリっと揚げたマヒマヒのフライ、サニーレタスやトマトが入り、マスタードなどで味付けしたさっぱり味。バンズはふんわりと柔らかく、温かくはないのですが、この味付けには冷たいバンズのほうが合うなぁと納得。淡泊な身のあっさり感と適度な歯ごたえがおいしい、夏にピッタリの爽やかなフィッシュバーガーです。
私が波乗りすることはたぶんないと思いますが、波乗りバーガーのビッグウェーブはものにしたい! それぞれのお店の味を軽快に乗りこなしてみたいものです。
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第11回 稲取「肉チャーハン」 第12回 沼津VS三島 バーガー対決
第13回 御前崎 波乗りバーガー 第14回 きくがわガレット
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2012年12月21日
第12回 沼津VS三島 バーガー対決
沼津といえば“干物”
全国有数の水揚げ量を誇る沼津港。周辺の店先では、天日干しにされた干物の姿をあちこちで見かけます。旨み凝縮、脂のり抜群の沼津の干物をまるごと使った『ひものカリカリバーガー』が、羽野シーフーズ沼津港売店で食べられます。アジの干物が本当にまるごと挟んであるので、グロテスクな見た目に一瞬、ギョっとしますが、味は絶品!白ゴマをまぶして海苔で巻いたご飯のバンズに、カラッと揚げたアジの干物、レタスやタマネギなどが挟んであります。タレはオーロラソース、焼肉のタレ、わさびマヨネーズの3種類。個人的には、ケチャップやマヨネーズをあえたサウザンアイランドドレッシングのようなオーロラソースがお気に入りです。違ったタイプの味がいろいろ楽しめるのはいいですね。
干物はカリッと香ばしく、頭から骨までバリバリ食べられてカルシウムいっぱい!バーガー類はジャンクなものになりがちですが、これは栄養満点で健康的。魚の食べ方がヘタクソな私でも、これなら気にせずガブリといけます。漁港の風情を楽しみながら、のんびり食べられるのもまた良し。

三島といえば“うなぎ”
一方、三島は富士山の伏流水が湧水となって流れ、豊かな緑に囲まれたせせらぎの街。名物のうなぎは、清らかな名水にさらすことで臭みを消し、旨みを残したまま余分な脂を落として上品な味に。
でもやっぱりうなぎはお高くてなかなか……。
そんな人はぜひ『うな飯(ハン)バーガー』をどうぞ。三島商工会議所の有志でつくる三島異業種交流会が、うなぎを気軽に味わってもらおうと企画・開発。タレで味付けしたうなぎのザク切りとレタスを、米粉と小麦粉を使った蒸しパンで挟んだもの。中華まんの皮をさらにモッチリさせた感じで甘みがあり、香ばしいうなぎとも良く合います。山椒も付いてくるのがいいですね。「おいしいうなぎを食べた!」という気分に十分浸れます。
モチモチした食感のものが大好きな私。この組み合わせに大満足です!取り扱いは当面、石渡食品が運営するグルッペ本町店などのパン屋さん4店舗で、1日約140個の限定販売。ちなみにグルッペ本町店では、とある日曜日の午後2時前には完売となっていました。とても人気のようです。

全国的にも新しいご当地バーガーが続々誕生し、静岡県内では焼津や御前崎などでも開発されています。片手で食べられ、しかも1コイン以下という手軽さが庶民のハートをガッチリつかんでいるのでしょうね!
では最後に、最近流行の“なぞかけ”でしめたいと思います。……ととのいました!『B級グルメとかけまして、そのブームの行方とときます。そのこころは「永久(A級)に続くでしょう」』。お後がよろしいようで。
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第9回 網代イカメンチ 第10回 磐田「おもろカレー」
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第13回 御前崎 波乗りバーガー 第14回 きくがわガレット
全国有数の水揚げ量を誇る沼津港。周辺の店先では、天日干しにされた干物の姿をあちこちで見かけます。旨み凝縮、脂のり抜群の沼津の干物をまるごと使った『ひものカリカリバーガー』が、羽野シーフーズ沼津港売店で食べられます。アジの干物が本当にまるごと挟んであるので、グロテスクな見た目に一瞬、ギョっとしますが、味は絶品!白ゴマをまぶして海苔で巻いたご飯のバンズに、カラッと揚げたアジの干物、レタスやタマネギなどが挟んであります。タレはオーロラソース、焼肉のタレ、わさびマヨネーズの3種類。個人的には、ケチャップやマヨネーズをあえたサウザンアイランドドレッシングのようなオーロラソースがお気に入りです。違ったタイプの味がいろいろ楽しめるのはいいですね。
干物はカリッと香ばしく、頭から骨までバリバリ食べられてカルシウムいっぱい!バーガー類はジャンクなものになりがちですが、これは栄養満点で健康的。魚の食べ方がヘタクソな私でも、これなら気にせずガブリといけます。漁港の風情を楽しみながら、のんびり食べられるのもまた良し。
三島といえば“うなぎ”
一方、三島は富士山の伏流水が湧水となって流れ、豊かな緑に囲まれたせせらぎの街。名物のうなぎは、清らかな名水にさらすことで臭みを消し、旨みを残したまま余分な脂を落として上品な味に。
でもやっぱりうなぎはお高くてなかなか……。
そんな人はぜひ『うな飯(ハン)バーガー』をどうぞ。三島商工会議所の有志でつくる三島異業種交流会が、うなぎを気軽に味わってもらおうと企画・開発。タレで味付けしたうなぎのザク切りとレタスを、米粉と小麦粉を使った蒸しパンで挟んだもの。中華まんの皮をさらにモッチリさせた感じで甘みがあり、香ばしいうなぎとも良く合います。山椒も付いてくるのがいいですね。「おいしいうなぎを食べた!」という気分に十分浸れます。
モチモチした食感のものが大好きな私。この組み合わせに大満足です!取り扱いは当面、石渡食品が運営するグルッペ本町店などのパン屋さん4店舗で、1日約140個の限定販売。ちなみにグルッペ本町店では、とある日曜日の午後2時前には完売となっていました。とても人気のようです。
全国的にも新しいご当地バーガーが続々誕生し、静岡県内では焼津や御前崎などでも開発されています。片手で食べられ、しかも1コイン以下という手軽さが庶民のハートをガッチリつかんでいるのでしょうね!
では最後に、最近流行の“なぞかけ”でしめたいと思います。……ととのいました!『B級グルメとかけまして、そのブームの行方とときます。そのこころは「永久(A級)に続くでしょう」』。お後がよろしいようで。
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第1回 富士宮やきそば 第2回 番外編 全国B級グルメスタジアムinエコパ
第3回 餃子対決 第4回 富士吉原つけナポリタン
第5回 袋井宿「たまごふわふわ」 第6回 コロッケ祭り
第7回 清水もつカレー 第8回 静岡おでん
第9回 網代イカメンチ 第10回 磐田「おもろカレー」
第11回 稲取「肉チャーハン」 第12回 沼津VS三島 バーガー対決
第13回 御前崎 波乗りバーガー 第14回 きくがわガレット
Posted by eしずおかコラム at 12:00
2012年12月14日
第11回 稲取「肉チャーハン」
金目鯛にも負けないぞ!
東伊豆・稲取といえば金目鯛、いえいえ、『肉チャーハン』です! それって、普通のチャーハンに肉がいっぱい入っているだけじゃないの?と思った方、肉チャーハンの奥深さに感動することでしょう。

肉チャーハンは稲取周辺で長く愛され続ける、地元っ子にはおなじみのご当地グルメです。発祥は稲取で40年続く老舗の『かっぱ食堂』。先代が完成させた味を2代目が守っています。ここから稲取のラーメン店や中華料理店などに広がっていきました。河津や下田でも食べられるお店があります。
チャーハン部分の具は卵のみで、塩で味付けしたシンプルなもの。その上に厚めの豚肉とキャベツ、青菜などの野菜を炒めたあんがたっぷりとかかります。野菜炒めにちょっととろみがついた程度のもので、あんかけというほどのとろみはありませんが、この具合が絶妙。ちょっと焦げた野菜の香ばしさ、キャベツのシャキシャキ感、豚肉の歯ごたえ、濃い目の味付け、チャーハンとあんのバランス、どれも完璧! これ以上ないくらいに完璧! ゴマ油の香り高く、こってりしているのに後味がよく、ボリュームもたっぷり。付き合いたての恋人同士がデートの後、バイバイしてすぐまた逢いたくなるように、食べ終わってお店を出た後、すぐまた食べたくなってしまいました。私が稲取人だったら、きっと週1で通ってしまうでしょう。たぶん毎日食べても飽きないと思います。
「This is INATORI!」
東京・浅草に『THIS 伊豆 稲取や』という稲取温泉のアンテナショップが2009年12月にオープンしました。なんとここでも肉チャーハンが食べられるそうです。浅草といえば雷門ということで『雷肉チャーハン』なるメニューがあるとか。雷のピリピリをイメージして、ピリ辛味。これはわざわざでも食べにいかなくては!
浅草からほど近い『東京スカイツリー』が着々と高くなっていくように、雷肉チャーハンに対する私の熱い思いもどんどん膨らんでいます。そのうち、雷肉チャーハンが稲取で食べられる“逆輸入現象”が起こったりしたら嬉しいですね。先日、建設途中の東京スカイツリーが東京タワーの高さを抜き、これからますます注目されるエリア。肉チャーハンも全国的に有名になりそうですね。浅草は外国からの観光客も多いので、『THIS 伊豆 稲取や』で肉チャーハンを食べた外国人の方が、それを浅草名物だと勘違いしてしまったら悲しい…。「This is INATORI!」としつこいくらいにアピールしてほしいものです。
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東伊豆・稲取といえば金目鯛、いえいえ、『肉チャーハン』です! それって、普通のチャーハンに肉がいっぱい入っているだけじゃないの?と思った方、肉チャーハンの奥深さに感動することでしょう。
肉チャーハンは稲取周辺で長く愛され続ける、地元っ子にはおなじみのご当地グルメです。発祥は稲取で40年続く老舗の『かっぱ食堂』。先代が完成させた味を2代目が守っています。ここから稲取のラーメン店や中華料理店などに広がっていきました。河津や下田でも食べられるお店があります。
チャーハン部分の具は卵のみで、塩で味付けしたシンプルなもの。その上に厚めの豚肉とキャベツ、青菜などの野菜を炒めたあんがたっぷりとかかります。野菜炒めにちょっととろみがついた程度のもので、あんかけというほどのとろみはありませんが、この具合が絶妙。ちょっと焦げた野菜の香ばしさ、キャベツのシャキシャキ感、豚肉の歯ごたえ、濃い目の味付け、チャーハンとあんのバランス、どれも完璧! これ以上ないくらいに完璧! ゴマ油の香り高く、こってりしているのに後味がよく、ボリュームもたっぷり。付き合いたての恋人同士がデートの後、バイバイしてすぐまた逢いたくなるように、食べ終わってお店を出た後、すぐまた食べたくなってしまいました。私が稲取人だったら、きっと週1で通ってしまうでしょう。たぶん毎日食べても飽きないと思います。
「This is INATORI!」
東京・浅草に『THIS 伊豆 稲取や』という稲取温泉のアンテナショップが2009年12月にオープンしました。なんとここでも肉チャーハンが食べられるそうです。浅草といえば雷門ということで『雷肉チャーハン』なるメニューがあるとか。雷のピリピリをイメージして、ピリ辛味。これはわざわざでも食べにいかなくては!
浅草からほど近い『東京スカイツリー』が着々と高くなっていくように、雷肉チャーハンに対する私の熱い思いもどんどん膨らんでいます。そのうち、雷肉チャーハンが稲取で食べられる“逆輸入現象”が起こったりしたら嬉しいですね。先日、建設途中の東京スカイツリーが東京タワーの高さを抜き、これからますます注目されるエリア。肉チャーハンも全国的に有名になりそうですね。浅草は外国からの観光客も多いので、『THIS 伊豆 稲取や』で肉チャーハンを食べた外国人の方が、それを浅草名物だと勘違いしてしまったら悲しい…。「This is INATORI!」としつこいくらいにアピールしてほしいものです。
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第9回 網代イカメンチ 第10回 磐田「おもろカレー」
第11回 稲取「肉チャーハン」 第12回 沼津VS三島 バーガー対決
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2012年12月07日
第10回 磐田「おもろカレー」
みんな大好きカレーライス
チビっ子からおじいちゃん・おばあちゃんまで、日本中のみんなが大好きなカレーライス。全国各地でご当地グルメとして始動しているカレーもたくさんあります。福島県『安達太良カレー』、岐阜県『奥美濃カレー』、熊本県『山鹿薬師馬カレー』、石川県『金沢カレー』、秋田県『あいがけ神代カレー』などなど。『あいがけ神代カレー』は昔ながらの懐かしいカレーと、デミグラスソースをベースにした現代風カレーの2種類のルーがかかるのですが、「あいがけのあいはLOVE、あいがけのがけは命がけ」が合言葉だそうです。ステキ~!
そんなさまざまなご当地カレーがある中、名前のインパクトナンバーワンは、磐田の『おもろカレー』ではないでしょうか。世界のナベアツさんの「オモロ~!」は最近めっきり聞かなくなりましたけどね。
おもろって何ですか?
遠州では豚足料理のことを『おもろ』と呼び、砂糖や醤油で甘辛く煮込んだスタイルが磐田流。この地方の居酒屋さんでは定番のおつまみだそうです。なぜ『おもろ』なんておかしな呼び方をするようになったのか、諸説あるようですが、袋井のとある居酒屋さんが名付け親との説が有力。このお店の初代店主は肉の部位名に親しみのある名前を付けていて、沖縄に伝わる『おもろ草紙』という文献から発想し、豚足をおもろと命名したとのこと。沖縄の方言でおもろとは『歌』の意味があり、『思い』がその由来。歌や踊りに思いを込める沖縄県民、那覇新都心には公募により『おもろまち』と命名された地名もあります。沖縄では豚足を『てびち』と呼び、煮付けやおでんの具として日常的に食べられていますよね。つながっていないようでつながっている、遠く離れた二つの土地。豚足が結んだ何とも不思議な縁ですね。

食わず嫌いを克服
そろそろここで告白しますが、実は私、豚足が苦手……というよりも、食わず嫌いでした。見た目がどうもグロテスクで……。『おもろカレー』を前に、少しキンチョーしながらおそるおそる口にしました。骨がけっこうあるので、注意しながらゆっくり。ぷるんっとした食感と、ちょっとクセのある甘辛醤油味。そこにカレーのスパイシーさが重なって奥深い味を生み出しています。ほぼ初めてのおもろ体験。枯れ気味の肌にコラーゲンがじんわり効いているかも?!
カレーといえば海軍ですが、この海軍創始者の一人である赤松則良氏が磐田で暮らしていたことで、早い時期から磐田にはカレーが広まり、市民にも馴染みが深かったようです。現在『おもろカレー』は磐田市内のお店やららぽーと磐田などで食べられるほか、レトルト商品も販売されています。そしてなんと、六本木にある「カフェ フランジパニ」というお店でも提供中。なんでもオーナーが磐田出身の方だそうで。六本木なんて言葉にするだけでドキドキしてしまう私ですが、『おもろカレー』が大都会・東京(この表現もどうかと思いますが)を征服する日も近い!?
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チビっ子からおじいちゃん・おばあちゃんまで、日本中のみんなが大好きなカレーライス。全国各地でご当地グルメとして始動しているカレーもたくさんあります。福島県『安達太良カレー』、岐阜県『奥美濃カレー』、熊本県『山鹿薬師馬カレー』、石川県『金沢カレー』、秋田県『あいがけ神代カレー』などなど。『あいがけ神代カレー』は昔ながらの懐かしいカレーと、デミグラスソースをベースにした現代風カレーの2種類のルーがかかるのですが、「あいがけのあいはLOVE、あいがけのがけは命がけ」が合言葉だそうです。ステキ~!
そんなさまざまなご当地カレーがある中、名前のインパクトナンバーワンは、磐田の『おもろカレー』ではないでしょうか。世界のナベアツさんの「オモロ~!」は最近めっきり聞かなくなりましたけどね。
おもろって何ですか?
遠州では豚足料理のことを『おもろ』と呼び、砂糖や醤油で甘辛く煮込んだスタイルが磐田流。この地方の居酒屋さんでは定番のおつまみだそうです。なぜ『おもろ』なんておかしな呼び方をするようになったのか、諸説あるようですが、袋井のとある居酒屋さんが名付け親との説が有力。このお店の初代店主は肉の部位名に親しみのある名前を付けていて、沖縄に伝わる『おもろ草紙』という文献から発想し、豚足をおもろと命名したとのこと。沖縄の方言でおもろとは『歌』の意味があり、『思い』がその由来。歌や踊りに思いを込める沖縄県民、那覇新都心には公募により『おもろまち』と命名された地名もあります。沖縄では豚足を『てびち』と呼び、煮付けやおでんの具として日常的に食べられていますよね。つながっていないようでつながっている、遠く離れた二つの土地。豚足が結んだ何とも不思議な縁ですね。
食わず嫌いを克服
そろそろここで告白しますが、実は私、豚足が苦手……というよりも、食わず嫌いでした。見た目がどうもグロテスクで……。『おもろカレー』を前に、少しキンチョーしながらおそるおそる口にしました。骨がけっこうあるので、注意しながらゆっくり。ぷるんっとした食感と、ちょっとクセのある甘辛醤油味。そこにカレーのスパイシーさが重なって奥深い味を生み出しています。ほぼ初めてのおもろ体験。枯れ気味の肌にコラーゲンがじんわり効いているかも?!
カレーといえば海軍ですが、この海軍創始者の一人である赤松則良氏が磐田で暮らしていたことで、早い時期から磐田にはカレーが広まり、市民にも馴染みが深かったようです。現在『おもろカレー』は磐田市内のお店やららぽーと磐田などで食べられるほか、レトルト商品も販売されています。そしてなんと、六本木にある「カフェ フランジパニ」というお店でも提供中。なんでもオーナーが磐田出身の方だそうで。六本木なんて言葉にするだけでドキドキしてしまう私ですが、『おもろカレー』が大都会・東京(この表現もどうかと思いますが)を征服する日も近い!?
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2012年11月23日
第9回 網代イカメンチ
タイの苦い思い出がよぎる
『網代イカメンチ』を初めて食べた時、タイ料理の『トー・マン・プラー』(タイ風さつま揚げ)を思い出しました。“トー=揚げる”、“マン=練る”、“プラー=魚”という意味で、魚のすり身揚げのことです。タイ料理の中でもわりとポピュラーなもので、日本にあるタイ料理店でも食べられます。唐辛子やカレーペースト、ナンプラー(魚醤)、ハーブなども入るので、ちょっぴりスパイシーで独特の風味があります。甘辛いスイートチリソースにキュウリとピーナッツのみじん切りを加えたタレにつけて食べます。これが本当においしくて、タイ料理の中で私が一番好きなメニューです。以前、タイに旅行に行った時、『トー・マン・プラー』という料理名が思い出せなくて、英単語とボディアクションで伝えましたが、出てきたのは大きな魚を丸ごと揚げた豪快な料理だったという、苦い思い出があります。
網代のおふくろの味
タイの思い出話はさておき、熱海市網代地区は、古くからアジ、サバ、イカなどが豊富に水揚げされる天然の良港として栄えています。国道沿いは『干物銀座』と呼ばれ、多くの干物店が軒を連ね、天日干しの干物が店先にズラリと並んでいます。熱海とはまた違った、のどかでどこか懐かしい風情にホっとする港町です。夜になると遠くにキラキラと輝く熱海の街並みが見渡せ、穏やかな雰囲気に心が和みます。『網代イカメンチ』は、そんな網代の温かさや懐かしさがいっぱいつまった郷土料理で、それぞれの家庭に伝わる“おふくろの味”。地元で水揚げされたアジ、サバ、イカ、トビウオなどをすり身にし、きざんだイカや野菜と調味料を加えてつみれにして揚げたもの。焼いたり、茹でたりしても良いそうです。
まわりはカリっと香ばしく、中はアツアツでぷりっとしていて、イカの食感と旨みがたまりません!しっかり味がついているので、そのまま食べてもおいしく、ショウガをつけるとよりさっぱりいただけて、味がギュっとしまります。キリンビールのポスターやホームページにも取り上げられていますが、確かにこの味はビールにぴったりです。というか、B級グルメってだいたいビールに合いますね。
自分で作ってみよう!?
2008年に『網代イカメンチの会』が発足し、イベントなどのPR活動に取り組んでいらっしゃいます。網代のいたるところで『網代イカメンチ』ののぼりがパタパタとはためいていました。食事処や居酒屋、宿泊施設などで食べられるほか、お土産用もあります。観光協会のホームページにレシピが載っていたので、チャレンジしてみようと意気込みましたが、私、魚をさばくのが苦手でした……。イカなんて特に無理……あ、切り身を買ってくればいいんですね……なんて、邪道ですね。また網代へ足を運びましょう。

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網代のおふくろの味
タイの思い出話はさておき、熱海市網代地区は、古くからアジ、サバ、イカなどが豊富に水揚げされる天然の良港として栄えています。国道沿いは『干物銀座』と呼ばれ、多くの干物店が軒を連ね、天日干しの干物が店先にズラリと並んでいます。熱海とはまた違った、のどかでどこか懐かしい風情にホっとする港町です。夜になると遠くにキラキラと輝く熱海の街並みが見渡せ、穏やかな雰囲気に心が和みます。『網代イカメンチ』は、そんな網代の温かさや懐かしさがいっぱいつまった郷土料理で、それぞれの家庭に伝わる“おふくろの味”。地元で水揚げされたアジ、サバ、イカ、トビウオなどをすり身にし、きざんだイカや野菜と調味料を加えてつみれにして揚げたもの。焼いたり、茹でたりしても良いそうです。
まわりはカリっと香ばしく、中はアツアツでぷりっとしていて、イカの食感と旨みがたまりません!しっかり味がついているので、そのまま食べてもおいしく、ショウガをつけるとよりさっぱりいただけて、味がギュっとしまります。キリンビールのポスターやホームページにも取り上げられていますが、確かにこの味はビールにぴったりです。というか、B級グルメってだいたいビールに合いますね。
自分で作ってみよう!?
2008年に『網代イカメンチの会』が発足し、イベントなどのPR活動に取り組んでいらっしゃいます。網代のいたるところで『網代イカメンチ』ののぼりがパタパタとはためいていました。食事処や居酒屋、宿泊施設などで食べられるほか、お土産用もあります。観光協会のホームページにレシピが載っていたので、チャレンジしてみようと意気込みましたが、私、魚をさばくのが苦手でした……。イカなんて特に無理……あ、切り身を買ってくればいいんですね……なんて、邪道ですね。また網代へ足を運びましょう。
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2012年11月09日
第8回 静岡おでん
ご当地おでんが続々登場
寒いですね~。こんな日はアツアツのおでんでも食べて温まりたいですね。B級グルメブームの中、全国各地で『ご当地おでん』が話題となっているようです。青森おでん(生姜味噌ダレ)、名古屋おでん(八丁味噌煮込み)小田原おでん(地元の素材で作った豊富な具材)、沖縄おでん(豚足入り、島とうがらしで味付け)、姫路おでん(生姜醤油で味付け)……などなど。ちなみに、平成23年の『B-1グランプリ』は姫路市で開催予定です。そしてやはり、ご当地おでんの先駆者は『静岡おでん』ですよね。県内では『焼津おでん』(かつおのヘソ(心臓)入り)もジワジワと広がってきているようです。
まっ黒だしのナゾ
先日、某テレビ番組で『静岡おでんのお初』を探す企画をやっていましたが、その結果、現存する最も古いお店は『水野商店』(1914年創業)ということでした。地元の話題を全国ネットのテレビで取り上げられるのは、うれしいものですね。
『静岡おでん』の発祥は、大正時代に静岡大火を逃れた人たちが青葉公園周辺でおでん屋や駄菓子屋を始めたのが起源とのこと。当時、廃棄処分されていた牛スジや豚モツを、捨てずに肉系の煮込みにしていました。牛スジの旨みが溶け出したダシ汁は日々つぎ足され常に煮込み続けるため、あの黒さになるとのこと。一見、ものすごく味が濃そうに見えますが、意外にあっさりしていて、旨みとコクが抜群です。具材ではずせないのは、黒はんぺんと牛スジ。個人的にはソーセージが想像以上においしくて衝撃的でした。串に刺さった具材がニョキニョキ飛び出しながらキレイに並んでいる姿が、なんともかわいらしいですね。そして、忘れてはならないのがダシ粉。『富士宮やきそば』にも欠かせない、静岡ならではの味のアクセント。いぶし銀の名脇役のようです。

静岡おでんと清水おでん
私はさらに『味噌ダレ』をかけるのが好きです。お店によってさまざまですが、旧清水市のほうではこの味噌ダレをかけるのが主流のようです。最近では『清水おでん』としてひそかに表舞台に上がってきています。味噌ダレをかけるというよりも、おでん鍋の中に味噌ダレの壺があり、そこにドブンとつけてダシ粉をかけます。清水の駄菓子屋さんにはほとんど必ず、おでんが置いてあったそうです。また、具材に牛スジはなく、豚モツが入っているそうです。微妙に違う2つのおでんですが、そこにつまったなつかしい想い出は、どちらも同じなのでしょう。
静岡のみなさんにとっては「何を今さら」というくらい、昔から当たり前に食べていた『静岡おでん』。関東出身の私は、はじめはビックリしてばかりいましたが、今ではもう関東風のおでんは物足りなく感じます。白いふわふわのほうのはんぺんを『白はんぺん』と言うようになりました。というか、もはや『黒はんぺん』しか食べません。食べ物のパワーとはおそろしいものです・・・。
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まっ黒だしのナゾ
先日、某テレビ番組で『静岡おでんのお初』を探す企画をやっていましたが、その結果、現存する最も古いお店は『水野商店』(1914年創業)ということでした。地元の話題を全国ネットのテレビで取り上げられるのは、うれしいものですね。
『静岡おでん』の発祥は、大正時代に静岡大火を逃れた人たちが青葉公園周辺でおでん屋や駄菓子屋を始めたのが起源とのこと。当時、廃棄処分されていた牛スジや豚モツを、捨てずに肉系の煮込みにしていました。牛スジの旨みが溶け出したダシ汁は日々つぎ足され常に煮込み続けるため、あの黒さになるとのこと。一見、ものすごく味が濃そうに見えますが、意外にあっさりしていて、旨みとコクが抜群です。具材ではずせないのは、黒はんぺんと牛スジ。個人的にはソーセージが想像以上においしくて衝撃的でした。串に刺さった具材がニョキニョキ飛び出しながらキレイに並んでいる姿が、なんともかわいらしいですね。そして、忘れてはならないのがダシ粉。『富士宮やきそば』にも欠かせない、静岡ならではの味のアクセント。いぶし銀の名脇役のようです。
静岡おでんと清水おでん
私はさらに『味噌ダレ』をかけるのが好きです。お店によってさまざまですが、旧清水市のほうではこの味噌ダレをかけるのが主流のようです。最近では『清水おでん』としてひそかに表舞台に上がってきています。味噌ダレをかけるというよりも、おでん鍋の中に味噌ダレの壺があり、そこにドブンとつけてダシ粉をかけます。清水の駄菓子屋さんにはほとんど必ず、おでんが置いてあったそうです。また、具材に牛スジはなく、豚モツが入っているそうです。微妙に違う2つのおでんですが、そこにつまったなつかしい想い出は、どちらも同じなのでしょう。
静岡のみなさんにとっては「何を今さら」というくらい、昔から当たり前に食べていた『静岡おでん』。関東出身の私は、はじめはビックリしてばかりいましたが、今ではもう関東風のおでんは物足りなく感じます。白いふわふわのほうのはんぺんを『白はんぺん』と言うようになりました。というか、もはや『黒はんぺん』しか食べません。食べ物のパワーとはおそろしいものです・・・。
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2012年10月19日
第7回 清水もつカレー
今日も一日、もつカレさま!
もつカレさまです。
恥ずかしながら、私が『もつカレー』の存在を明確に意識したのは、テレビ番組『秘密のケンミンSHOW』でした。それはちょうど、私が清水区民になってから1年半くらい、たしか2008年の夏ごろだったと思います。関東にいる実家の母から「清水ってもつはカレー味なの?」というメールが届いたのがはじまり。たまたま録画していたその番組を見てみたら、やってますやってます、もつカレーやってます。言われてみれば以前訪れた清水の居酒屋さんに、もつのカレー煮のようなものがありました。その店だけのメニューだと思っていましたが、そうではなかったんですね。
ほろ苦くて香ばしい大人の味
もつカレーの発祥は、JR清水駅近くにある居酒屋『金の字本店』。初代店主が戦後間もない頃、満州で覚えたカレーの調理方法と名古屋のどて煮をヒントに考案し、串に刺したもつのカレー煮込みを屋台で販売していたもの。港町・清水では早くから洋食やカレーの文化が伝わっていたこともあり、そのおいしさと相まって周辺のお店に広がっていったそう。『金の字本店』のもつのカレー煮込みは、自家製のカレースープで豚もつを長時間、丁寧にアクとりしながら柔らかく煮込んで作ります。ちょっと焦がしてあるのでとっても香ばしく、ほろ苦くてコクがあり、スパイシーな味がたまりません。ビールください!
静岡県内のお店を紹介するグルメ番組『くさデカ』にも登場し、トータルテンボスの藤田さんが絶賛してました。単純にカレーともつを合わせただけではない、奥深い味。お店の思いと歴史を感じます。
清水の活性化を担うカギ
テレビで全国的に取り上げられてから、レトルトパウチのカレーもつ(発売元:清水酒販)が発売されました。もつカレーで地域の活性化をはかろうと『清水もつカレー総合研究所』が発足し、さまざまなイベントでアピール活動を行っています。地元企業である『はごろもフーズ』と連携し、清水もつカレーの缶詰も発売されました。デザインやロゴもかわいらしくて、県外の人へのおみやげにぴったりです。実家に帰ったり、友人に会うたびに配っています。Tシャツもいい味だしてます。『清水駅周辺もつカレーマップ』もあるので、それを片手に味めぐりもいいですね。清水駅前は再開発が進み始めているので、もつカレーによりさらなる発展が期待できそうです。
イチロー選手が毎朝カレーを食べているということで、集中力がつき、脳やカラダが目覚めると人気の『朝カレー』。それに便乗して、一日の最後にビール片手に『おつかれ、もつカレー』。インド人もびっくりして踊り出すくらい、全国に広がれ、もつカレー!

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第13回 御前崎 波乗りバーガー 第14回 きくがわガレット
もつカレさまです。
恥ずかしながら、私が『もつカレー』の存在を明確に意識したのは、テレビ番組『秘密のケンミンSHOW』でした。それはちょうど、私が清水区民になってから1年半くらい、たしか2008年の夏ごろだったと思います。関東にいる実家の母から「清水ってもつはカレー味なの?」というメールが届いたのがはじまり。たまたま録画していたその番組を見てみたら、やってますやってます、もつカレーやってます。言われてみれば以前訪れた清水の居酒屋さんに、もつのカレー煮のようなものがありました。その店だけのメニューだと思っていましたが、そうではなかったんですね。
ほろ苦くて香ばしい大人の味
もつカレーの発祥は、JR清水駅近くにある居酒屋『金の字本店』。初代店主が戦後間もない頃、満州で覚えたカレーの調理方法と名古屋のどて煮をヒントに考案し、串に刺したもつのカレー煮込みを屋台で販売していたもの。港町・清水では早くから洋食やカレーの文化が伝わっていたこともあり、そのおいしさと相まって周辺のお店に広がっていったそう。『金の字本店』のもつのカレー煮込みは、自家製のカレースープで豚もつを長時間、丁寧にアクとりしながら柔らかく煮込んで作ります。ちょっと焦がしてあるのでとっても香ばしく、ほろ苦くてコクがあり、スパイシーな味がたまりません。ビールください!
静岡県内のお店を紹介するグルメ番組『くさデカ』にも登場し、トータルテンボスの藤田さんが絶賛してました。単純にカレーともつを合わせただけではない、奥深い味。お店の思いと歴史を感じます。
清水の活性化を担うカギ
テレビで全国的に取り上げられてから、レトルトパウチのカレーもつ(発売元:清水酒販)が発売されました。もつカレーで地域の活性化をはかろうと『清水もつカレー総合研究所』が発足し、さまざまなイベントでアピール活動を行っています。地元企業である『はごろもフーズ』と連携し、清水もつカレーの缶詰も発売されました。デザインやロゴもかわいらしくて、県外の人へのおみやげにぴったりです。実家に帰ったり、友人に会うたびに配っています。Tシャツもいい味だしてます。『清水駅周辺もつカレーマップ』もあるので、それを片手に味めぐりもいいですね。清水駅前は再開発が進み始めているので、もつカレーによりさらなる発展が期待できそうです。
イチロー選手が毎朝カレーを食べているということで、集中力がつき、脳やカラダが目覚めると人気の『朝カレー』。それに便乗して、一日の最後にビール片手に『おつかれ、もつカレー』。インド人もびっくりして踊り出すくらい、全国に広がれ、もつカレー!

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Posted by eしずおかコラム at 12:00